新しい絡繰りを思いついた兵ちゃんときたら、とても楽しそうな笑みを浮かべるものだから、何だかこちらまで嬉しくなってしまう。
 ああでもないこうでもない、じゃあこうしたらどうかな、それはいい考えだやってみようしかしお主もなかなかの悪よのう、いやいや兵太夫さんにはとても敵いませんよ。
 二人して図面を覗き込みながら会話も弾む。

「楽しそうだね兵ちゃん」
「そりゃあ」

 とんとんと軽く紙を叩きながら、にんまりと笑みを深くする。

「こんなに面白い事は他にないと思うね。三治郎もそう思うだろ」
「兵ちゃん程じゃあないと思うけどねえ」

 そう返すと彼は、呆れたように眉を上げた。よく言うよなあとその仕草が語っている。

「そんなに楽しそうな顔をしている癖に」
「どっちもどっちってこと?」
「分かってんじゃないか」

 そうかねえ。
 でもやっぱり兵ちゃんには敵わないと思うんだ。
 どこに何をどうやって。
 隅々まで書き込まれた図面を、新しい絡繰りを生み出すたびに浮かべる。
 晴れ晴れとした、生き甲斐さえ感じているようなその表情に、ぼくが敵うわけない。









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兵太夫も似たようなことを思ってたら面白い。
多分、二人三年生くらいかなあ。